胃カメラ検査(上部内視鏡検査)
胃カメラ検査とは
胃カメラ検査とは、口または鼻から細く小型のスコープ(カメラ、照明、処置用の鉗子が付属)を挿入し、食道、胃、十二指腸の上部消化管の粘膜状態をリアルタイムで観察する検査です。
この検査では、のど(咽喉)の一部や声帯の状態も確認でき、検査中に疑わしい病変が見つかれば、組織サンプルを採取して病理検査を行い、確定診断につなげることができます。
さらに、潰瘍などによる出血を発見した場合には止血処置を行ったり、アニサキス(寄生虫の一種)などの異物を除去することも可能です。
※検査には機材の都合上予約が必要です。
下記よりお問い合わせください。
こんな症状(状態)があれば
できるだけ早めに
胃カメラ検査を受けてください
- のどや胸につっかえた感じがする
- 胃痛や吐き気、胃もたれがする
- 嘔吐の症状が続く
- 胸焼け、胃の不快感がある
- 長引く食欲不振
- 急激に体重が減った
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがあり、2年間胃カメラ検査を受けたことがない
- 胃がんの治療をうけたことがあり、2年間胃カメラ検査を受けたことがない
- 親族にピロリ菌の除菌治療を受けている方がいる
など
胃カメラ検査でわかる主な疾患
胃の疾患
ピロリ菌感染
胃内視鏡検査では、ピロリ菌感染の有無を確認することができます。
ピロリ菌に感染していない方は、胃がんになりにくいことが知られています。
そのため、ピロリ菌感染が判明した場合は、除菌治療を受け、定期的に胃内視鏡検査を実施して胃の萎縮の状態を確認することが重要です。
胃がん
胃がんは、胃の内側を覆う粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞に変異し、無秩序に増殖することによって発生します。
早期で見つかれば、内視鏡による治療により完治することができます。進行してしまうと手術や抗がん剤での治療が必要となります。胃がんによる死亡数はピロリ菌の除菌により年々減少してきていますが、2022年の統計でも肺がん、大腸がんについで第3位です。
胃悪性リンパ腫
悪性リンパ腫の中で、胃に発生するものは約8%を占めており、ピロリ菌感染が大きな要因とされています。ピロリ菌に感染していて、他の臓器への転移がなく、進行が遅く悪性度が低い場合には、ピロリ菌の除菌が成功することで腫瘍が縮小し、長期生存率が90%以上に達することが報告されています。
胃潰瘍
胃潰瘍は、胃液に含まれる胃酸と、胃壁を保護する粘液のバランスが崩れることによって発生する病気です
胃静脈瘤
肝臓が悪くなったり(肝硬変など)、小腸や大腸からの血流が増えたりすることで胃の表面の静脈がコブ状に拡張する状態です。
出血する可能性のある病変には局所治療が必要となりますし、肝臓が悪くなっている可能性があるため更なる検査に繋げられる可能性があります。
胃炎
胃炎とは、胃の粘膜に炎症が生じた状態を指します。胃炎には、食べ過ぎや飲みすぎ、過度のストレス、喫煙などが原因となる急性胃炎と、ピロリ菌感染などによる慢性胃炎(胃がんの原因となる萎縮性胃炎や腸上皮化生など)があります。
胃アニサキス症
胃アニサキス症とは、サバやイカ、カツオ、サンマなどの魚介類に寄生するアニサキスが、口から体内に入り胃の壁に付着することで発症する食中毒です。
十二指腸の疾患
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と同じく十二指腸の粘膜が損傷し、潰瘍が形成される病状で、ほとんどのケースで腹痛が現れます。
主な原因はピロリ菌感染であり、痛み止めやピロリ菌感染などによって引き起こされ、若い世代においても比較的多く見られる疾患です。
食道・咽頭の疾患
食道がん
食道がんは、進行するまでほとんど自覚症状がないことが特徴です。胃や大腸には漿膜(しょうまく)という保護膜が存在しますが、食道にはその膜がないため、リンパ節や他の臓器への転移が起こりやすくなっています。
逆流性食道炎
胃は強力な胃酸から粘膜を保護するメカニズムを持っていますが、食道にはそのような防御機能がありません。このため、胃液が逆流すると食道に炎症が生じ、これを逆流性食道炎と呼びます。
食道静脈瘤
肝硬変により肝臓への血液の流れが阻害され、食道に血液が逆流して形成されるのが「食道静脈瘤」です。
この静脈瘤は、胃や食道の表面を通る血管が拡張して脆くなり、こぶのように膨れ上がった状態を指します。進行した場合、止血困難な吐血を来して命に関わる病態となります。
当医院の胃カメラ検査の特徴
専門医による丁寧な検査
院長をはじめ、当院には日本消化器内視鏡学会専門医が在籍しており、検査結果をわかりやすく説明するよう努めています。治療の必要性が疑わしい病変が見つかった場合は、連携医療機関と検討を行って治療法を考慮します。その後は、しかるべき医療機関へ紹介して治療へと繋げます。
不安な方にもしっかりサポート
特に初めての方は胃カメラ検査に対する恐怖心を抱いている方も多くいらっしゃいます。
当医院では、患者様に声掛けをしながら、できるだけ不安を与えずリラックスして検査に臨んでいただけるような雰囲気を意識しています。
鎮静剤を用いた苦痛のない検査
当院では、患者様ができる限り苦痛を感じない検査を受けられるよう、鎮静剤を使用した内視鏡検査も実施しています。
これにより、眠った状態での検査が可能です。
二種類のレーザー光を照射することで微妙な色の違いを強調し(赤い部分はより赤く、白い部分はより白く)、病変を発見しやすくする技術を導入しています。
「初めての胃カメラで苦痛を感じたので、二度と胃カメラを受けない」となると、経過観察が必要な病変も経過が見れなくなってしまいます。眠った状態の検査で、そういった不安を少なくできればと考えています。
特殊光を用いた内視鏡診断
当院の内視鏡は、二種類のレーザー光を照射することで微妙な色の違いを強調するLCI(ライティングコントラストイメージング)や、特定の波長の光を照射して粘膜の細部まで可視化するBLI(ブルーライトイメージング)などの特殊光観察が可能です。
これにより、病変部分を鮮明に映し出したり、組織の細かい変化や異常をよりみやすくすることができ、早期のがんやポリープなどの発見の一助として活用しています。